もしジオン・ズム・ダイクンが遺言を残していたら? ガンダムで考える遺留分と遺言の効力

遺言を書けば、自分の財産を誰にでも自由に渡せるのでしょうか。今回は少し趣向を変えて、「機動戦士ガンダム」の登場人物を架空事例として、遺留分と遺言の効力を考えてみます。
※作品の公式設定を法律的に評価するものではなく、日本の民法が適用されると仮定した架空の事例です。

ダイクンが「全財産をデギンへ」と遺言したら?
ジオン・ズム・ダイクンに配偶者はおらず、子としてキャスバルとアルテイシアの2人がいるものとします。そこでダイクンが「全財産をデギン・ソド・ザビに遺贈する」と遺言した場合を考えます。
このような遺言も、遺留分を侵害するという理由だけで直ちに無効になるわけではありません。ただし、子には遺留分があります。
遺留分とは?
遺留分とは、兄弟姉妹以外の一定の法定相続人に保障された最低限の取り分です。今回の例で、遺留分算定の基礎となる財産が1億円、相続人が子2人だけなら、全体の遺留分は2分の1です。したがって、単純化するとキャスバルとアルテイシアはそれぞれ2,500万円の遺留分を持つことになります。
遺留分を侵害された場合は、原則として受遺者などに金銭の支払いを求める「遺留分侵害額請求」を行います。遺言そのものを取り消して財産を取り戻す制度ではありません。
もし脅して遺言を書かせたら?
話は大きく変わります。仮に誰かがダイクンを脅し、「自分に財産を渡す遺言を書け」と強迫した場合、その遺言が本当に本人の自由な意思に基づくものなのか、効力が争われる可能性があります。形式だけ整っていれば安心というわけではありません。
なお、仮に強迫した者が(第三者ではなく)相続人の一人であった場合は、民法891条3号の「相続欠格」に該当し、相続権そのものを失うことになります。
遺言は「書けば終わり」ではありません
遺言では、誰に財産を渡すかだけでなく、遺留分、家族関係、財産内容、本人の意思能力や作成時の状況まで考えることが重要です。特に、一部の相続人に多く財産を残す場合や、相続人以外の人へ多く遺贈する場合には、相続開始後のトラブルも想定しておく必要があります。
まとめ
「全財産を第三者へ」という遺言でも、直ちに無効になるわけではありません。ただし、相続人の遺留分を侵害すれば、遺留分侵害額請求を受ける可能性があります。一方、強迫などで本人の意思をゆがめて遺言を書かせた場合は、遺言の効力や相続欠格という別の問題が生じます。
なお、機動戦士ガンダムのストーリーでは、デギンはダイクンの財産どころか、国そのものを簒奪したのでは?となっており、後にキャスバルが赤い彗星のシャアアズナブルとなって、ザビ家に復讐をしていくこととなっています。
ここまでの大事にならなくても、遺言や遺産分割は非常に重要なものです。
らくだ行政書士おふぃすでは、推定相続人の確認、財産調査、財産目録や遺言書案の作成、公正証書遺言の公証役場との調整など、遺言作成を総合的にサポートしています。「この内容で家族が困らないだろうか」と考え始めた段階でも、お気軽にご相談ください。
※本記事は一般的な制度の解説です。実際の遺留分や遺言の効力は、相続関係、財産内容、作成経緯などによって異なります。


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