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代理人と使者は何が違う? 具体例で解説

  • 執筆者の写真: らくだ行政書士おふぃす
    らくだ行政書士おふぃす
  • 21 時間前
  • 読了時間: 5分

前回の記事「行政書士法改正 その書類作成は違法ではないですか?」では、令和8年1月1日に施行された行政書士法改正について解説しました。

今回の改正では、行政書士でない者が、他人の依頼を受けて報酬を得ながら官公署提出書類を作成することについて、「いかなる名目によるかを問わず」という文言が加えられました。

ここでよく問題になるのが、「代理人」と「使者」の違いです。

なお、今回の改正は、従来からの規制の趣旨を明確にしたもので、代理人と使者の区別そのものが改正されたわけではありません。


代理人と使者の違い
代理人と使者の違い

代理人と使者の違い


簡単にいうと、次のように整理できます。


  • 代理人:本人から権限を与えられ、本人に代わって手続を行う人です。委任状が必要になる場合があり、与えられた権限の範囲で説明や補正などを行うことがあります。

  • 使者:本人が決めた意思や、完成させた書類を窓口へ届ける人です。原則として、書類の内容を判断したり、自分の判断で訂正したりすることはできません。


ただし、「使者として提出したから問題ない」とは限りません。


大切なのは、誰が提出したかだけでなく、誰が書類を作成し、誰が内容を判断したかです。

書類の配達と書類の作成は、分けて考える必要があります。



具体例で考えてみましょう


具体例1 葬儀社による死亡届の提出


死亡届は、同居の親族など、戸籍法で定められた届出義務者・届出資格者が、内容を確認して署名し、届け出る書類です。

葬儀社の従業員が、遺族の作成・署名した死亡届を市区町村へ持参する場合、一般的には「使者」として提出することになります。

自治体でも、葬祭事業者は使者として取り扱われ、届書の訂正はできないと案内されています。

一方で、葬儀社が有料の葬儀サービスの一環として、届出人に代わって死亡届の内容を記入したり、不足事項を判断して補ったりした場合は、単なる使者の範囲を超える可能性があります。


ポイントは、提出した人ではなく、実際に誰が書類を作成したかです。


具体例2 車庫証明・自動車登録


自動車販売店が車庫証明や自動車登録の手続を行う場面でも、同じ考え方になります。

購入者が申請書を完成させ、販売店の従業員が警察署や運輸支局へ届けるだけであれば、使者としての提出と考えられます。

しかし、販売店が次のような作業を有料で行う場合は注意が必要です。


  • 顧客情報や車両情報を申請書へ入力する

  • 所在図・配置図を作成する

  • 書類の不足事項を判断して補う

  • 窓口の指示に応じて内容を修正する


自動車登録で正式な代理人として申請する場合には、委任状が必要になります。

ただし、委任状があれば誰でも有料で書類を作成できる、という意味ではありません。


「登録代行料」「手続サポート料」など、費用の名称を変えても、実際に有料で書類を作成していれば、行政書士法上の問題が生じる可能性があります。


具体例3 そうぞくドットコムなどの民間相続サービス


近年は、インターネット上で情報を入力すると、相続登記などに必要な書類が作成される民間サービスも増えています。

たとえば「そうぞくドットコム」では、利用者が家族や不動産の情報を入力し、作成された書類に利用者自身が署名・押印して、法務局へ提出する仕組みが案内されています。

利用者自身が相続人や遺産分割の内容を判断し、システムが入力内容を機械的に書式へ反映するだけであれば、本人申請を支援するツールと考える余地があります。

また、完成・署名された書類を法務局へ郵送するだけなら、使者に近い作業です。


一方で、運営会社が個別の事情を判断し、相続人を確定したり、入力内容を修正したり、登記申請書の作成相談や補正対応を行ったりする場合は、司法書士法や行政書士法との関係が問題になる可能性があります。

これは、そうぞくドットコムが違法だという意味ではありません。

民間相続サービスを利用する際は、サービス名だけで判断せず、次の点を確認することが大切です。


  • 誰が書類を作成するのか

  • 誰が内容を判断するのか

  • 不足や誤りを誰が修正するのか

  • 登記や官公署への申請を誰が受任するのか

  • 必要な場面で司法書士や行政書士が正式に関与するのか


政府も、無資格者による登記関係書類の作成や相談に該当するかは、具体的な業務内容に基づいて判断されるとしています。



まとめ


代理人と使者の違いは、実際に何をしているかで決まります。


使者は完成した書類を届ける人、代理人は本人から権限を与えられて手続を行う人です。

そして、どちらであっても、有料で書類を作成できるかどうかは別の問題です。

死亡届、車庫証明、自動車登録、民間相続サービスのいずれも、「誰が提出したか」だけでなく、「誰が判断し、誰が書類を作成したか」を確認することが重要です。


らくだ行政書士おふぃすでは、相続手続きをはじめとした諸手続きは、行政書士として対応できる範囲を確認したうえで、書類の作成や申請手続の代理を行います。

ご本人の意思を確認し、委任された範囲内で、行政機関への提出や補正対応まで責任をもって進めることが可能です。

登記・税務・紛争性のある案件など、他士業の業務に該当する場合は、適切な専門家をご案内します。

是非、お気軽にご相談ください。



※本記事は一般的な制度の解説です。個別のサービスや事業者について、適法・違法を断定するものではありません。

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