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行政書士法改正 その書類作成は違法ではないですか?

  • 執筆者の写真: らくだ行政書士おふぃす
    らくだ行政書士おふぃす
  • 5 日前
  • 読了時間: 7分

更新日:1 日前

令和8年1月1日に改正行政書士法が施行されました。

書類作成の代行業務に関わるルールが変わることで、行政書士の役割や業務範囲にどのような影響があるのか気になる方も多いでしょう。この記事では、行政書士の基本的な役割から改正の概要、市役所時代の経験を踏まえた行政書士との関わり、そして行政書士でなければ代行できない書類作成業務の具体例まで、わかりやすく解説します。

行政書士法改正のポイントと具体的な業務例
行政書士法改正のポイントと具体的な業務例

行政書士の役割とは


行政書士は、官公庁に提出する書類の作成や手続きの代理を行う専門職です。例えば、許認可申請、契約書の作成、遺言書の作成支援などが主な業務に含まれます。行政手続きは複雑で専門知識が必要なため、行政書士が関わることでスムーズに進められます。


行政書士の仕事は、単に書類を作るだけでなく、法律や条例に基づいた正確な内容を保証することにあります。これにより、依頼者は安心して手続きを任せられます。



行政書士法改正の概要


近年、補助金申請や各種許認可・開業支援において、「無資格のコンサルティング会社や代行事業者」が急増しました。

これまでは「コンサルティング料」「サポート代」「入会金」などの名目で実質的な書類作成の対価を受け取るという脱法行為(非士業による非法行為)が横行しており、次のようなトラブルが多発していました。

  • 質の低い申請書や虚偽申請による採択取消・返還請求

  • 成功報酬の高額請求や申請後の音信不通

こうした悪質な無資格代行を排除し、行政手続きの正確性と国民の利便・保護を図るため、法の規定が明確化・厳格化されました。


「書類作成業務の明確化」のポイント(法第19条)


改正前も「報酬を得て官公署に提出する書類を作成できるのは行政書士のみ」と定められていましたが、「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が明記されました。


  1. 脱法的な名目の排除

報酬の名称が「書類作成費」でなくても、実質的に官公署提出書類を作成した場合は違法と判定されます。

  • 違法となる例: コンサルティング料、顧問料、業務サポート費、システム利用料、成功報酬、会費などの名目であっても、その実態に「官公署提出書類の作成」が含まれていれば非行(行政書士法違反)となります。


  1. 「書類作成」の解釈の厳格化

申請書本体だけでなく、添付書類(事業計画書、収支予算書、図面など)の起案・入力・データ作成も独占業務の対象に含まれます。

  • 代筆や入力代行を行わず「助言(経営コンサルティング等)」にとどまる場合は問題ありませんが、名義だけ顧客にして実質的に書類を作成した場合は違反となります。


  1. 罰則および両罰規定の強化

無資格者による有償の書類作成行為に対し、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金などの罰則が科されるほか、法人(事業者)全体に対する両罰規定の運用も強化されました。


実務や事業者への影響と注意点


  1. 外部パートナーの確認

申請書類の作成を伴う業務(建設業許可、各種営業許可、補助金申請、在留資格申請など)を外部に委託・相談する際は、必ず正規の行政書士または行政書士法人であるか(登録番号の提示等)を確認する必要があります。


  1. コンサルティング契約の見直し

無資格のコンサルタントや代理店が提出書類の作成代行まで一括して行っている場合、法令違反のリスクが生じるため、契約内容や依頼体制の見直しが必要です。 



市役所時代の行政書士との関わり


私が市役所で勤務していた頃、行政書士との関わりは、私が配属されていた部署との関係もあり、限定的でした。

それでも、補助金や給付金の受付の際に、一部、行政書士が代わりに申請してくるケースがあり、行政書士ってこういうお仕事なんだなという印象でした。


一番、印象深いエピソードとしては、大体、10年位前でしょうか、前述の行政書士法改正前であったため、市役所の窓口において、「報酬を得て官公署に提出する書類を作成できるのは行政書士のみ」の趣旨を周知するようにという請願があったことです。

おそらく、各行政書士会が全国の行政機関や地方自治体に対して、請願を出していたのだと思います。


当時、私が所属していた部署がその請願の担当部署となりましたが、執行部側としては請願が採択されると、何らかの対応(=仕事が増える)をしなくてはなりません。

実際、当時の率直な感想としては、窓口で書類を受付する際、行政書士であるかを確認する必要性は、ほとんどの部署で認識していなかったと思います。

私は直接の担当者ではありませんでしたが、結局、請願は採択され、さきほどの「報酬を得て官公署に提出する書類を作成できるのは行政書士のみ」ということを、全部署に周知したようでした。


このように、行政書士法が改正されても、実際に受付する行政機関や地方自治体の職員が認識しなければ、罰則があったとしても、なかなか浸透しません。

各行政書士会をはじめ、行政書士1人1人が地元の自治体や関係機関に対して、法の趣旨や業務範囲を丁寧に伝える活動を継続していくことが大切です。一人ひとりの草の根的な啓発活動こそが、制度の適切な運用と依頼者の保護につながります。



行政書士でなければ書類作成代行できない業務の具体例


行政書士法改正により、行政書士でなければ代行できない書類作成業務が明確になりました。これまで、「無資格のコンサル会社・ディーラー・無登録の申請代行業者」などが実質的に書類作成を行っていた代表的な業務例は次のとおりです。


  1. 自動車登録・車庫証明

自動車の販売・手続きの現場で、長年慣行として行われてきたケースです。

ディーラーや中古車販売店が「登録代行費用」や「納車費用」などの名目で顧客から費用を受け取り、申請書類の作成や提出を自社の職員で行っていました。

  • 自動車登録手続き・名義変更(陸運局関係)

  • 車庫証明(自動車保管場所証明)の申請代行


なお、令和7年12月24日付け日本行政書士会連合会から発出された「自動車販売会社による登録等の手続における行政書士法違反になるものと考えられる例」では


① 自動車販売会社の販売員が、自社が販売した車両に係る自動車登録申請書の作成を代行すると、例え、作成費用を無料としても、車両の販売代金や整備代金等に報酬が含まれていると考えられることから行政書士法違反となるものと考えられる。
② 自動車販売会社の販売員が、自社が販売した車両に係る自動車登録申請書を作成するため、自社の顧客情報や車両情報等のデータベースの情報を用いると、①と同じ理由により行政書士法違反となるものと考えられる。
③ 自動車販売会社の販売員が、自社が販売した車両に係る自動車登録申請書及び添付書類を運輸支局等に提出した後に、追記や記載内容の訂正・補正を行うと行政書士法違反 となるものと考えられる。仮に、運輸支局等の職員から記載内容の訂正・補正を求められた場合であっても、これを行うと行政書士法違反となるものと考えられる。

  1. 消防法令に基づく各種手続き

建物の建築や改修、店舗オープンなどの際、消防設備業者や建築設計事務所、コンサルタント等が、「工事代金」「コンサルティング料」「申請サポート費」などに含めて書類作成を行うケースが多くありました。

  • 防火管理者選任(解任)届出書・消防計画作成

  • 防火対象物点検結果報告書・防災管理点検結果報告書

  • 防火対象物着工届・設置届・使用開始届出書

  • 消防用設備等(特殊消防用設備等)設置届出書・設置計画書


  1. 各種 補助金・給付金の申請支援(事業計画書の作成)

無資格の経営コンサルタントやマーケティング会社が、「コンサルティング料」「着手金+成功報酬(採択額の10〜20%)」などの名目で、事業再構築補助金やものづくり補助金の事業計画書や申請データを実質的に代筆・入力作成して報酬を得ていたケースです。


  1. 風俗営業・飲食店・古物商などの開業許可・届出

店舗プロデュース業者、内装工事業者、フランチャイズ本部などが、「店舗プロデュース料」「開校(開店)支援セット費」などの名目で、保健所への飲食店営業許可申請や、警察署への風営法許可・古物商許可の申請書・図面(求図等)を作成していたケースです。


これらの業務は、法律に基づく正確な書類作成が求められるため、無資格者が代行すると違法となります。依頼者は行政書士に依頼することで、安心して手続きを進められます。


まとめ


行政書士法の改正は、書類作成代行のルールを明確にし、行政書士の専門性と信頼性を高めるものです。行政書士が関わることで手続きの正確さと効率が向上することがわかります。

行政書士でなければ代行できない業務が法律で定められているため、書類作成を依頼する際は必ず資格のある行政書士に相談しましょう。違法な代行を避けることで、安心して行政手続きを進められます。

行政書士法改正の内容を理解し、適切な専門家に依頼することが、スムーズな書類作成とトラブル回避の鍵となります。今後の手続きに役立ててください。


らくだ行政書士おふぃすでも、随時、ご相談に応じますので、お気軽にお問い合わせください。




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